古典、童謡にまつわる軽〜いお話し。
2008年5月25日「五月まつり」(五月流宗家家元二代目五月千介)
が千葉県市原市のいちはら市民会館で催されました。
不勉強なもので、五月流の舞台を見るのははじめてです。
長唄の小品を扱ったものは勿論のこと
演歌や民謡まで、バラエティーに富んだたのしい会でした。
「菊の宴」を舞った、五月寿美羽師匠の品(しな)よく舞うお姿が印象的でした。
「菊の宴」は長唄舞踊の小品で、色どりの良い菊花をかざしながら踊る
総踊り(群舞)が前提の作品なのですが、工夫されておひとりで舞われていました。
これから先、もっと練られて行かれることと思います。たのしみです。
日本舞踊が芸術の域に昇華され、その源流となる
三世三津五郎(坂東三津五郎1775-1832)の
功績が極めて大であることは周知のことですが、
忘れてならないのは、江戸末期ごろから
歌舞伎舞踊を主に演じる女狂言師の存在です。
彼女たちは、一人でも多くの弟子を抱えるために
人気役者の芸風を研究したり、その役者の一門に
入って研鑚し、ついに名前を許される者もありました。
彼女たちにはもうひとつ重要な仕事がありました。
大奥において、市井で評判の演芸(主に歌舞伎舞踊)を
お目にかけるということです。
時世のことや地方の様々なおもしろいお話や珍しい食べ物のことなど
きちんとお話できなければつとまりません。
知識ではなく教養が必要なのです。
ですから当時大奥にお出入りできるような女狂言師の質は、非常に高かった訳です。